資産運用を成功させるために「投資信託」は避けられない金融商品です。忙しい生活を送っている方にはとても身近で、比較的安心で、そして良い商品に巡り合うと大きな成果が得られる魅力的な金融商品なのです。
しかし「必ず儲かる」という保証がないのも事実。「投資信託入門」として一緒に勉強してみましょう。
「投資信託」のことを「ファンド」という呼び名で読んだり、「○○ファンド」という名前がついていたりして、初心者は混乱しがちです。この二つは同じものなのでしょうか? 果たして違うものなのでしょうか?
同意語で使用されることもありますが、大きく違うことがあります。それはこの金融商品を運営している会社の格付けです。
「投資信託」という位置づけになっている商品は、行政の監督を受けた投資信託委任業者によって然るべき管理の下、運営をされています。一方「ファンド」と呼ばれるものの中には、顧客から集めた資金を投資顧問会社などの機関投資家が運用する金融商品もあります。
安心なのは名の通った証券会社や銀行などで、購入することでしょう。そして「○○ファンド」という商品名がついていたら、窓口の人に「これは投資信託ですか?」と確認すること。名の通った金融機関のWEBページの「投資信託」から商品を選べば間違いありません。
また、初心者の方はぜひ「つみたてNISA」で選んでください。こちらは金融庁が厳選した優秀な投資信託商品の中から2018年10月31日現在で142本選ばれています。11月に入ってから新規参入商品もあるので、そちらから選ぶと良いと思います。
投資信託について調べると、下記の様な事が書かれていると思います。
<投資信託とは>
投資家から集めたお金をまとめて、運用の専門家が株式や債券などの金融商品などに投資し、運用をする商品。その運用成績から得た利益を投資額に応じて分配される仕組みの金融商品。
さらに掘り下げて図でみてみましょう。
イメージしやすい様に、仮の話をします。
「投資家」はファイナンシャルフィールドの読者の皆さまとします。皆さまはご自身の資産の一部で投資しました。
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投資した商品は投資信託「ファイナンシャルフィールド(FFファンド)」です。
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ファイナンシャルフィールドファンドには、運用の専門家集団がいます。その中の責任者としてファンドマネージャーは私、寺門美和子が担当したとしましょう。
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ファンドマネージャーは投資でまとまったお金を運用し、成果をあげる為に市場調査や研究を行い、どの銘柄を買うか・売るかを判断します。時には個別に会社へ訪問したり、セミナーに参加したり、忙しい投資家の方に代わって行うので手数料が発生します。
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投資する金融商品は「国内」「海外」の金融商品で、「株式」「債権」「不動産」「為替」「先物」などから選びます。この組み合わせはその金融商品のコンセプトにより、内容の選択と比率が決まります。
この様な作業が発生します。もちろんチームで行うので、人件費も必要です。これらが信託報酬という名目で必要となってきます。
上記で説明した、ファンドマネージャーの役割ですが、コンピューターが発達した現在では、ファンドマネージャー集団の力を借りずに運用することもできます。なので、投資信託は投資方針に沿って大きく2つのファンドに分けられるのです。
投資初心者にはやはり「手数料」の安いものが魅力的でししょう。まずはインデックスファンドから始めて、慣れてきたらアクティブファンドへも投資をしていくと良いかと思います。
投資信託で投資をすることに、多くの方は苦手意識が強いように思いますが、将来に向けて大きな利益を生んでくれる可能性が高い金融商品です。また、株式との大きな違いの中に「1日1価格」というルールがあります。
ですから、株式の様に市場がオープンしている間に「価格の変動が気になって仕事に集中できない」というリスクはありません。しかし、わかりづらいのもたしか。こんな風に覚えてみてください。
基準価額・・・投資信託の値段のこと
<売買時>
価格は「毎日」ではなく、市場がオープンしている日に動きます。日本では基本は平日にオープンしており、土日祭日・年末年始は休場です。前以降の営業日の価格をみて、売買を検討するかと思います。
仮に本日は4月2日としましょう。「本日」市場がオープンしているとすると、通常15時までに申し込みをします。受注締め切り後「本日の基準価額」が決定。ですから価格がわからないで購入を決定しなくてはいけません。
翌営業日4月3日に4月2日の価額が発表されます。言い換えると、本日確認できている基準価額は前日の価額なのです。この様に投資信託は購入時・売却時の価格がはっきりと分からない状況で取引を行います。このことを「ブラインド方式」といいます。
また、金融機関により申込みの締切時間が違います。また海外商品はさらに、時差や祭日の違いで金額が確定(約定)する日が違いますので、そこはひとつひとつしっかりと確認をしてください。
確かにわかりづらい点はありますが、だからこそ、投資信託はじっくりと長期・積立運用をするのに適している商品かと思います。何より、自分の日常生活に時間的、精神的に支障をきたさないのは大きいのです。
慌てずに、じっくりと資産形成に向き合い、わからないことは調べたり、専門家に聞いてみたり、そうやって資産運用に取組んでください。
Text:寺門 美和子(てらかど みわこ)
ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルフィールド編集部