失敗しない不動産投資 3原則

著者:donghai    日付:2019.09.25

マンションブロガーの、のらえもんです。今回は読者からの関心が高い不動産投資。しかも20代ではじめるとしたら、そのとっかかりについて考えてみたいと思います。

 といっても、本稿を書く私自身は20代で不動産投資を経験しませんでした。なんといっても、毎日の飲み会が楽しかったですからね(遠い目)。あの当時お酒に使ったお金を貯金して、もっと投資に回していれば……本当にそう思っています。

 そう、個人の投資は、自分が出せる頭金と時間が味方なのです。時間効果を考えれば、20代で投資を始めるのは理にかなっています。ただし、年収が低いときに頭金相当を貯金するのが相当困難であるのですが。

20代からの失敗しない不動産投資3原則。頭金はいくら必要?
不動産投資の原則①:手金と属性

 私が考えるに長期的な不動産投資の成否を決める要素は3つあります。

①自分の手金(てがね)と属性
②適切な投資物件の選定
③融資してくれる銀行探し

 まずはなんといっても頭金です。後述しますが、最初から「頭金ゼロ」、つまり貯金なしでも投資できるところを探し始めるのは完全に悪手です。

 投資は自分がまず身銭を切って出せるお金を持ってから。これは特効薬が無くて貯金するか副業でもするしかありません。ご両親が多少でも裕福であれば、金利0.1%の借用書を書いてお金を貸してもらうのが良いでしょう(※自分が住むための住宅であれば、“住宅取得等資金贈与の非課税の特例”制度があります。耐震等級など一定基準を満たす物件であれば、親や祖父母から1200万円までの贈与について贈与税がかかりません)。

 どの程度のまとまったお金が必要なのか。それは投資対象にもよるのですが、最初は2~3割を持っておくのが良いでしょう。つまり、2000万円の区分マンションであれば、400万~600万円の軍資金が必要ということです。

 そして、属性が良いことも条件のひとつです。基本的にフリーランスにわが国の銀行はお金を貸そうとしません。

 月々のサラリーにお金を貸す面もありますので、不動産投資を始めるにあたってしばらくの間は、サラリーマンであり続けることが有利となります。公務員もしくは優良な企業にお勤めの場合は、金利条件が良くなることも多いからです。

不動産投資の原則②:適切な投資物件の選定

 次に、適切な投資物件の選定フェーズに入ります。

 いろいろな選択肢があると思いますが、不動産投資を考えるなら最初は区分マンション、つまりマンションの一室投資から始めると良いのかなぁと私は考えます。初手で1棟マンションは敷居が高く、失敗したときのダメージが大きいからです。

 もちろんいきなりシェアハウスは論外ですし、少し前に流行したボロ戸建ても自分の時間をかなり使いますから万人におすすめできるものではありません。

 東京23区の区分マンションで駅からさほど遠くなく、これからも賃貸需要が継続的に望めそうな場所で、最低でも表面利回りを6%以上確保。まずはこれを条件に探してみましょう。投資物件検索サイトなどを駆使すれば、個人でも探し当てることは可能です。

 ただし、不動産屋から紹介される資料を書かれている想定賃料は信用せず、ご自身で周辺賃料を調べてくださいね。

20代からの失敗しない不動産投資3原則。頭金はいくら必要?
不動産投資の原則③:資元の銀行探し

 最後に、融資してくれる銀行探しです。

 20代の不動産投資初心者サラリーマンがいきなり都銀に行っても借りられることは少なく、最初は地方銀行もしくは信用金庫などからのスタートとなります。不動産仲介さんから銀行の担当者を紹介してもらって、訪ねるのが基本でしょう。

 そのときに、いろいろな書類を提出することになるので、平日の日中で動けることが必要です。半休や午前中だけ休みなどのアレンジを申し出にくい若手サラリーマンは若干厳しいかもしれませんが、ハードルを超えることができれば、ようやく不動産投資への扉が開きます。

 ちなみに、フリーランスや属性が良くないサラリーマンでも「日本政策金融公庫」という最後の手段があります。35歳未満であれば、割安な金利で借りられる制度もあります。

“頭金0円”の謳い文句にご注意

 さて、ここまで考えてきましたが、そこそこ乗り越えるハードルがあることがわかるでしょうか。単純に不動産投資家になりたいだけなら、「不動産投資セミナー 頭金0円」と検索して出てくるセミナーに参加して、業者が言うとおりにハンコを押せば投資家になることはできます。

 しかし、考えてみてください。先程述べたフェーズをすべて自動的に業者が行なってくれるのは、何か裏があると思いませんか? 不動産投資はあくまでも「経営」です。頭金の用意は資本金の確保であり、投資先の選定は商材の選定、融資銀行探しと一通り、起業と同じことを考えなくてはいけません。

 ここで、取引先に選択の自由をすべて渡してしまって自分で汗をかくことをやめてしまうと、自分の利潤がまったく無くなってしまうのです。

 私が敬愛してやまない不動産投資家のどエンド君先生(@mikumo_hk)は、「向こうからやってくるものはすべてクソ。」と清々しい名言を語っていらっしゃいます。すべての投資は自己責任で、儲かる話は自分で開拓しなければならないのです。

20代からの失敗しない不動産投資3原則。頭金はいくら必要?

 

居住用マンションが低リスクでは

 さて、ここまで書きましたが、最初に区分所有のワンルームマンションを買ってもさほど儲からないことに気づくはずです。

 私は居住用マンション専門のブロガーです。居住用のマンションには資産性の高いマンションを選ぶ法則があり、それを守れば資産を積み上げることが可能です。

 20代のサラリーマンであれば、自己居住用で50平米以上の住宅ローン控除が適用される資産性の高いマンションを金利の低い住宅ローンで借り、その後結婚や子どもが生まれた際に、別のマンションに移るのがより確実でリスクが低いのではないかと考えるのです。

<TEXT/のらえもん>

bizSPA!フレッシュ 編集部